竜と戯る星 第一話
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地理解説

 今回舞台となる星は「ナルガルド」と呼ばれている。
地図には大きな円が示されているが、その内部が「生活圏」と呼ばれる地域であり、
それがこの星がかつてテラフォーミングされ、
地球から移住した者が生活した場所であることを示しているのだが、
この時代に、その事実を知る者はいない。
現在この星で生活する者は、ピラミッド内のみを生活圏とする富裕層と、
ピラミッド外で戦闘に従事する兵役層に分かれ、
そのどちらも、かつてこの星に地球より移住した者達とは無関係であると思われる。
生活圏の外はおよそ人間が生存に耐え得る環境ではない。
 富裕層が一生をそこで過ごすピラミッドは、
外壁がいかなる手段を用いても傷一つつけることが不可能とされる、詳細不明の技術で守られている。
ピラミッド内部に入るには、「主催者」と呼ばれる詳細不明の存在に認証される必要があり、
基本的に、兵役層が内部に入ることが許されるのは、入星した初日の準備時間のみである。
その際通されるピラミッド内の施設は、他の部分とは完全に隔離された領域であり、
兵役層が裕福層の姿を見ることは、規定得点を得てピラミッドに迎え入れられる以外にはあり得ないこととされる。
 ピラミッド以外に人が暮らした形跡が見てとれる箇所もいくつかあり、旧市街地もそのひとつである。
今はもう、そこに暮らす者はいないが、様々な工業製品や建築資材、簡単な武器、兵器等があったり、
建築物などの身を潜める場所にも事欠かないため、ここを訪れる兵役層や竜は多くいる。
場合によっては戦闘になることも多いため、落ち武者狩りや、死肉をあさる竜も出没する一種の危険地帯である。
 旧市街は二か所あるが、そのうちひとつは、封鎖され立ち入りが極めて困難になっており、
その詳細は不明である。そこに隠された事実を知る者もいるようではあるが。
 封鎖された場所と言えば、森林地帯に数か所あり、その中でも大きなものが、森林地帯北東に存在する。
金網で覆われており、中には用途不明の建造物が見えるが、やはり詳細は不明である。
何の変哲もない金網は、破られた形跡が多くあり、実は侵入は容易であるが、
奥まで行って帰ってきた事例は少ない。そして、そこで何かを見たであろう数少ない帰還者は皆口を閉ざす。
封鎖されていなくとも、森林地帯には、用途不明の建造物が多数存在し、
竜の存在と関係あると考える者もいるが、その関係は証明されてはいない。


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