◆ その日、朝の務めを終えた私は、朝食を素早く終え、自室に向かった。 目的はただ一つ、今日から始まる中学校生活に向けての個人的儀式だ。 とは言っても、制服に着替えて姿見で自分を見るってだけなんだけど、 これは、世界のどんな宗教儀式でも太刀打ちできない、神聖で大切な儀式なのだ。 無論、あんな変態神様に会うための儀式なんてに勝ち目は無い。 私が入ることになった中学校は、ある組織が資金を出し設立された学園の中等部で、 高校、大学までエスカレーター方式の一貫校。 小学校ではあまり周囲の生徒と馴染めなかったからということもあるが、 学園設立の際に資金を出したその組織から、どういうわけか、勧誘され、 怪しがっているおばあを尻目に東子さんが 「公立に通う気が無いなら、せっかくだから行ってみたら?」と薦めるので、 試しに、とパンフレットを見たら、制服のかわいさにノックアウトされてしまった、 というのが、その学校に通うことになった経緯である。 今日から、この制服を着て学校に通うのだ。嬉しさと同時に緊張で身が引き締まるのを感じた。
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