「ふんふん、らんらん、ら〜らんらん…」

随分と楽しそうに、鼻歌混じりで、下校する少女がいる。

私の目には、とても何かに焦っている様には見えない。

だけど、堂座が言うんだから、間違い無い。

だけど、同じくらいの年齢の子は、ちょっと自信が無い。

まあ、がんばってみるか、堂座のためだもん。

「ねえ」

「ふんふん…ふ〜ん?」

鼻歌で答える様に振り向く彼女は、実にあっけらかんとしている。

「ふんふんふん? どちらさん?」

「…こ、こんにちは…」自分でも口がひきつりながら喋っているのがよくわかる。

「こんにちは、初めまして、ふんふんふん」

妙にリズム感の良い挨拶が、余計にこちらの調子を狂わせる。

だけど、相手のリズムに同調して、接触するのが、「白」たる私の真骨頂だ。

ここで、負けるわけには…

「はじめまして、ご機嫌いかが?」

「はいっ! とってもご機嫌です!」

ものすごく屈託の無い笑顔だ。本当に輝いて見えるから困る。

「あの〜… 何か、やってみたいこととかって、あります?」

「はいっ! 私の魔法が、皆を幸せにします!」

…!? … … ???  !?!?

何? 今、この子、何て言った?

「あの… 魔法使いさん?」

「いいえ! だけど、大人になったらなるんです!」

はあ、そうですか、がんばって…

…て、そういうことね…

「早く大人になりたい?」

「大人になって、魔法を使って、皆が幸せになるんです!」

願望というよりは、そういう既成事実が、この子の頭の中ではできあがっている様で…

「堂座ー…」

堂座を呼ぶ声に何だか力が入らない…  

 

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