客間に入ると、「赤」を取り囲む様に、皆が座っていた。

「赤」の正面に、私の席が空けられていたので、そこに座る。

「お嬢様…」

おばあが、私の覚悟を悟ったかの様に話しかけてきた。

私は、ただ、頷いた。

おばあは、それ以降何も言わなかった。

「では… 昨日、私は、前田に会いました」

「赤」以外の皆の顔が驚きに染まった。

「件の殺人事件の犯人を追うため、殺意を探索中、『赤』…彼女に出会い、そして、交戦しました。

その途中、件の犯人が現れ、彼女に傷を負わしたのです。

そして、そこへ現れたのが…」

「前田か…」と、東子さん

「はい、そして、『白』にも…」

「やはり、全てに、前田が…」東子さんが呟く。

「一応、犯人の気配に霊的なマーキングを行いましたが、犯人の霊的気配を一切感じ取れません。

つまり…」

「死んだ…」

「はい、彼と前田は意見が対立していた様です。

つまり、あの後、彼は前田に立ち向かって行ったと思われます」

「殺された…と?」

「はい」

「殺し屋である『赤』を、こうまでした奴を、殺したと?」

「『白』もいましたし… だけど、前田の雰囲気を見た限り、彼は武道家として、最高峰です

往年の名人や、達人と呼ばれた者でも、彼に敵うかどうか…」

「…」東子さんは、遠くを見つめる。

「私は、これからしばらく、前田を調べてみます」

皆が驚愕の目を私に向けた。

「おい、今何て…」

「だから、前田の周囲を探ってみるんです」

「だって、今、あいつは強いって…」

「だけど、このまま、あいつを野放しにしておくわけにはいきません。

あいつが、この街で起きた異常な事件の大体に関わっているのだとしたら、

それを止めなければ…」

「だからって、編がやることは…」

「警察ならなんとかしてくれるんでしょうか?

一応、警察も彼の存在は気になっているみたいですが、どうも手出しできないようです。

その間にも、実際に事件が起きてしまった。

あいつの目的は何なのか、そもそも、前田は何者なのか、よく調べ、

必要ならば、あいつの行動に釘を刺していかなければ、

これからも、あいつのために、誰かが犠牲になっていってしまうんですよ」

と言って、私は東子さんの顔をじっと見た。

東子さんは、私から目をそむけつつ、短く何かを呟いた。

「ちえ…」  

 

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