◆ 気がつくと、私は、いつの間にか、部屋にいた。 「私…」 起き上がると、全身に痛みが走った。 体のあちこちにあざがある。 ふと、周りを見ると、おばあや、東子さんや、お父さんや、巫女さん達… 「…」 「お嬢様、心配しましたよ」おばあが、いつもの調子で言う。 あまり怒っていない様子が、逆に、怒りを抑えている様に感じた。 「…ごめんなさい…」 「おとなしいと思ってたんだけど、意外と大胆なとこあるね。 そういうの嫌いじゃないんだけどさ… もっと自分を大事にしようよ。」 東子さん… お父さんは黙ったままだ… ごめんなさい… でも、私は何故帰ってこれたんだろう… ふと、窓の方を見る。闇夜に紛れて何かが動いた気がする… ごめんね… そこで、はっと気がついた。 「『赤』は!? あの人も大怪我を…」 「客間に寝かせているよ。 二人して家の前で倒れてたんだ、びっくりしたよ、あんな怪我に、どうしたらなるんだい?」 …私は、「赤」が起きたら答えると言って、横にさせてもらった。 ああ、皆に迷惑をかけてしまった…そう思うと、涙がこぼれた… すると、そっと頭をなでてくれる感触があった…誰だろう…顔を確かめようとしたけど、 そのまま眠りに落ちてしまった…
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