◆ 「毎度どうも」あの時の刑事さん二人が訪ねてきた。 おばあが、客間へ案内し、待っていた私の前に二人が座る。 「どうも、お世話になってます」 「こちらこそ、お世話になってます。 本日の御用は…」 「はい、近頃、市内を賑わせている、犯罪者殺しのことで…」
と、まあ、特に面白味も無く話は進んだ。 依頼の内容は、「犯罪者殺しを特定して、可能な限り逮捕、仕方なければ殺しても可」と、 こんなところだ。 二人は、かつての事件の犯人に立ち向かう私を見ているだけに、色々慎重に言葉を選んだ喋り方をしている。 無駄なんだけどね。 でも、まあ、今回は特に嘘をついていることも、隠していることも無いみたい。 それならば、と、今度は、「前田」について、この人達が何か知っていないか、調べてみる。 … ん? 日本総地産連合結社専属の殺し屋、「白」… 前田堂座との接触… 「前田堂座…?」 一瞬、場の空気が止まった。思わず口に出してしまった。 「編さん…どこでその名前を…?」刑事さんの一人が詰め寄る。 …やばいなあ…でも、言っちゃったものは仕方ないか… 「あなた達こそ、この名前に聞き覚えがあるから反応したのでは?」 「ええ、我々は、その名前を知っていますが、それが?」 「個人的な理由で、その名の者を探しています。 彼が、この事件に多少なりとも関わりを持っているのかどうか、と考えているのですが、 どうにもよくわからないもので…すみません、集中してお話を聞いていなくて…」 刑事さん二人が、訝しげに顔を見合わせる。 でも、大収穫だ。例の「前田」のフルネームがわかった。 しかも、警察のお墨付きで、「白」の件に関わっていることも! 前向き前向き、失敗なんて気にしない♪
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