頂-ただひとり-の編-あみ-

第四話

ある日、暗い色のスーツを着た人達が来た。

皆、神妙な面持ちで、何だか深刻な話みたいだ。

一応、決まりになったので、私も彼等の話に立ち会う。

「我々は、日本総地産連合結社の者です」

何だか、聞き慣れない様な、聞いたことある様な、変な名前の集団だ。

「これはこれは、よくいらっしゃいました」

「おばあ、知ってるの?」私はヒソヒソ声で聞いた。

「お嬢様、彼等は、全国のヤクザ共や、その他団体を取りまとめることを目的とした結社の者でございます。

我々も、彼等の傘下にあるのですよ」

「ええーっ!?」思わずびっくりした。彼等の思考を読み取ってみたら、確かにその通りだ。

「お、お世話になっております…」

場の空気が少しだけ和んだが、彼等の話が始まると、再び場が緊張を帯び始めた。

「実は、専属のヒットマンが行方不明なのです…」

この言葉に、おばあが極度に反応した。

言葉だけは平静を装い、聞き返す。「それは、いつからです?」

「先週です…」

「あなた方専属のヒットマンと言っても、色々いましたよね?」

「…」

「まさか、『白』ではないでしょうね?」

「…」

目の前の男の人の心を読んでみた…どうやら、図星の様だ。

「白」っていうことがどういうことかは、何か怖いので、そっとしておこう。

男の人が押し黙っていると、おばあは、事態を察したようだ…

「このたわけがあ!」

おもわず背筋が伸びた。皆、恐怖に震えているのがわかる。立場的にはこの人達の方が上のはずなのに。

「あなた方専属のヒットマンは、その存在自体が抑止の力となり、それが、あなた達の権威の基となるのです!

その中で『白』は、神聖さと実力を兼ね備えた、象徴的な存在!

その『白』の行方が掴めないということは、どういうことかおわかりでしょう?ええ?」

男の人達が泣きそうな顔をしている…

「まあ、あなた達を責めてもしょうがない。

仕方ありませんね、これは、私共にも関わってくる重要案件です。

全力でお探ししましょう。

編、事態は深刻です。準備を」

「はい」

静まり返った雰囲気に押し潰されそうになりながら、私は立ち上がり、神殿に向かった。  

 

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