頂-ただひとり-の編-あみ-

第三話

ある休日、お昼からお風呂に入っていた。

あまり動かなくても汗が出る陽気だが、何せ、運動が日課なので、汗の量が半端じゃない。

服を脱いだ時、特に下着の湿り具合ったらない。

儀式の後の凄まじい状況からすれば大したことはないが、日常生活においては、不快なことこの上ないので、

こんな時はお風呂に限る。

そうでなくとも、お風呂は好きな方だと思う。一日の大半、お風呂に入るか寝るかしていれば、

個人的には満足なんじゃないだろうか?

そんなことを考えているうちに、お風呂で寝ていることもたまにあるが。

まあ、お風呂で寝るのは、気持ちのいいもので、というか気持ちいいから寝ちゃうんだけど、

まあ、起きた時、鼻の中に水が入ってたりとか、半分溺れかけてたりとか、で、

その後、おばあに叱られるんだけど。

「お嬢様、寝ていらっしゃいませんね?」

半分うつらうつらしている時に、はっと目が覚める

「起きてるよー!」

「お客様がいらっしゃると連絡がありました。

早くお上がりになって支度を。

仕事の話ではありませんので、洋服でもかまいません。」

「はーい!」

先日の一件以降、仕事の話でも、私は一緒に立ち会う様にしている。

相手の話に嘘があったら、こちらの仕事に影響が出る可能性だって充分にあるからだ。

今日は、仕事じゃないなら、まあ、幾分気が楽だ。

名残惜しいけど、湯船から上がる。滴る音が響く。私の分の水かさが減る。

私の体の至る所に残ったお風呂の名残をふき取る。

「ああ、私とお風呂はこんなにも相思相愛なのに…」

「お着替えを持ってまいりました。」

「うわぁ!びっくりした!」

同性のはずなのに、おばあに裸を見られて少し恥ずかしい…

っていうかその前のセリフが恥ずかしい…

「馬鹿なことを言ってないでさっさと準備なさってくださいな。

お上がりが遅いようでしたので、服はこちらで見繕っておきましたよ。」

事実、呼ばれた後、しばらくもたもたしていたのは間違いない。

「用事がすんだら、夕飯までお入りになればよろしいでしょう。」

それは名案だけど、のぼせちゃいそうだな…

 

 

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