頂-ただひとり-の編-あみ- 第三話 ◆ ある休日、お昼からお風呂に入っていた。 あまり動かなくても汗が出る陽気だが、何せ、運動が日課なので、汗の量が半端じゃない。 服を脱いだ時、特に下着の湿り具合ったらない。 儀式の後の凄まじい状況からすれば大したことはないが、日常生活においては、不快なことこの上ないので、 こんな時はお風呂に限る。 そうでなくとも、お風呂は好きな方だと思う。一日の大半、お風呂に入るか寝るかしていれば、 個人的には満足なんじゃないだろうか? そんなことを考えているうちに、お風呂で寝ていることもたまにあるが。 まあ、お風呂で寝るのは、気持ちのいいもので、というか気持ちいいから寝ちゃうんだけど、 まあ、起きた時、鼻の中に水が入ってたりとか、半分溺れかけてたりとか、で、 その後、おばあに叱られるんだけど。 「お嬢様、寝ていらっしゃいませんね?」 半分うつらうつらしている時に、はっと目が覚める 「起きてるよー!」 「お客様がいらっしゃると連絡がありました。 早くお上がりになって支度を。 仕事の話ではありませんので、洋服でもかまいません。」 「はーい!」 先日の一件以降、仕事の話でも、私は一緒に立ち会う様にしている。 相手の話に嘘があったら、こちらの仕事に影響が出る可能性だって充分にあるからだ。 今日は、仕事じゃないなら、まあ、幾分気が楽だ。 名残惜しいけど、湯船から上がる。滴る音が響く。私の分の水かさが減る。 私の体の至る所に残ったお風呂の名残をふき取る。 「ああ、私とお風呂はこんなにも相思相愛なのに…」 「お着替えを持ってまいりました。」 「うわぁ!びっくりした!」 同性のはずなのに、おばあに裸を見られて少し恥ずかしい… っていうかその前のセリフが恥ずかしい… 「馬鹿なことを言ってないでさっさと準備なさってくださいな。 お上がりが遅いようでしたので、服はこちらで見繕っておきましたよ。」 事実、呼ばれた後、しばらくもたもたしていたのは間違いない。 「用事がすんだら、夕飯までお入りになればよろしいでしょう。」 それは名案だけど、のぼせちゃいそうだな…
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