◆ 刑事さんの二人に連れられて、私は、隣町の、事件現場を回ることにした。 事件現場に行けば、能力の痕跡から、彼女の現在位置を割り出せるかもしれないからだ。 まず、手始めに、最初の現場である○○中学校に向かう… 学校に近づくほどに、異様な気配を感じる…ちょっと待って…この気配って… 建物が見える様になって、疑問は確信に変わる。 「ここで止まってください」 私は自動車を降りた。 しばらくして、私は再び自動車に乗り込み、学校に向かってもらった。 ○○中学校は、事件後、休校になり、生徒は自宅待機を余儀なくされている。 今、学校は無人のはずだ。皆、そう思ってる。 だけど、それが、最大の盲点だ。 まあ、確かに、見た目には誰もいない様に見えるだろう。 だけど、わかる人にはわかる。「何かいる」 「まさか、学校内の調査はもう済んでいますし、見張りだっているのに、誰が中にいると言うんです?」 「お見せしますよ。まあ、ついてきてください」 学校内に自動車で乗り入れ、昇降口の前で私達は降りた。 そして、昇降口に入った瞬間、只ならぬ霊気に全身が震える。 「へえ、結構すごいなあ」 「何がです?」 「こっちの話です。大体わかりました、屋上に行きましょう」 校舎内の霊気を頼りに、最も強い霊気の発生源を探ると、屋上に何かがある様だ。 そもそも、学校の屋上は、ドラマやアニメでは、そこでお弁当を食べたり、友達と話したり、 そんなイメージだが、実際には、普段は鍵が掛けられ、入れる機会は多くは無い、学校随一の憧れの場所だ。 屋上を制すれば、学校を制したと言ったらそれは過言か。 潜伏場所を学校の屋上にしたとすれば、それもまあ、理解できなくはない。 あとは、その方法だ。少なくとも、この世界の物理法則に則ったものでは無さそうだ。 校舎の最上階のさらに上、屋上への階段を上り、扉の前に立つ。 なるほど、ここに間違い無い。ここにいる。
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