頂-ただひとり-の編-あみ-

第二話

市内のとある公立中学、二年生の教室では、悲鳴と血飛沫が飛び交っていた。

このクラスのある女子生徒が、突然ナイフを取り出し、前に座る女子生徒の首を切りつけたのだ。

混乱の中、切りつけた女子生徒は逃走、ナイフだけが床に転がっていた。

切りつけられた女子生徒は、その後、駆け付けた教師によって死亡が確認された。

事件は瞬く間に噂になり、ニュースになり、興味の対象となり、

類似の事件を生み、憶測を生み、恐怖を生み、ワイドショーのネタを生んだ。

殺人を犯した少女は「A」と呼ばれ、今なお逃走中。

たかが中学生にと、警察への批判も生まれた。

だが、この少女「A」は、本当に何の痕跡も無く、跡形も無く消えてしまったかの様なのである。

 

 

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