早咲きの桜の舞う川沿いの歩道。

ここら辺では、卒業通りと呼ばれている。

そして、この日、晴れて、私達は高校を卒業した。

「やれやれ、この制服ともおさらばか」

「6年間も着てたんだなあ。寂しいね」

「そうか、お前等、中学からだっけ」

「へへー、中学から着てたんだぞ!」

「ちょっと、見てみたかったな…」

「うちに寄ってく? 中学の卒業写真見せてあげようか」

「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」

「ユキも、すっごい可愛いんだよ。今でも可愛いけど、ロリ好きな丸子君にはたまらないものがあるよ」

「待て、別にロリ好きじゃねえし」

「どーだか。ん? ユキ、どうしたの?」

ユキが妙に余所余所しい顔をしているのが気になった。

相変わらずこの子の心は読みにくい。あえて読んでいないけど。

「私は、お邪魔かな?ってね」

自分の顔が赤くなるのが自分でもわかる。丸子君も赤くなっている。

「べ、別に、今日はそういうことは…」

「そういうことって、どういうことなのかなあ?」

「なんで、そういう意地悪なこと聞いてくるかな?」

「いいなあ、私も、彼氏が欲しいなあ」

「前田のこと忘れられないんじゃないの?」

「堂座なら、きっと、『俺のことにいつまでも未練を持っているんじゃない』って言うもん…」

前田の真似をしておどけながらも、寂しさが紛れ込んだ口調だ。

私が殺した事実。それをお互い共有しながらも、ユキは、私を責めない。

そして、私はユキに、どこかで負い目を感じている。

「…」

「編、そんな顔、似合わないよ」

「…ごめん」

「何、謝っちゃってるのさあ! ほら、あそこ寄ってこ!」

ユキは、和菓子屋を指さす。

「もう、しょうがないなあ… また、私におごらせるんでしょ?」

すると、丸子君が

「いつも、お前ばっかに出させるわけにはいかねえよ」

「お、珍しい。じゃあ、何にしようかなあ?」

「お手柔らかに…」

「じゃあ、私はねえ…」

「俺の財布には限度ってものが…」

「じゃあ、えーっと」

「ひええ…」

 

そんな感じで、馬鹿なことをやりながら、私達は共に歩んで行く。

世界を救うという誓い、そして、友情が、私達を強く結び付けて、

大きく羽ばたいていく。

これから先も、色々なことがあるわけだが、とりあえず、私の話はこれで終わり。

かつての死にたがりの少女は、今、希望を胸に、誰よりも強い生命を手に、

新たな世界に向かおうとしている。  

 

5_____■

   

 

 

ブラウザを閉じてください