◆ 踊り狂う鬼、思い思いの舞いの中、ひたすらに回転を続ける、奇妙な舞いを舞う鬼がいた。 その一心不乱な舞いは、やがて、周囲の鬼を感化し、 そして、それは、徐々に広範囲にわたり始めた。 本能のままに触れ合いを続ける鬼達は、やがて、無心に回り始めると、それ以外の事を全て忘れたかの様に、 ただひたすら、ひたすらに、それを繰り返した。 すると、そびえ立つ巨大な影も、少しずつ、回転を始めた。 もし、それが実体を持ったものであるならば、この地球の環境を一瞬で変化させられるほどの巨大な運動である。 そして、その回転が始まってからしばらくすると、影を光が覆い始めた。 それでも回転は止まらない。 やがて、光は、少しずつ、影をのみこみ始めた。 徐々に、徐々に、光の中に消えていく影。 それを知ってか知らずか、回転を続ける鬼達。 影もまた、回転を続けている。 生まれる者、消えていく者、全てが回転している。
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