島が黒い影となって離れて行く。

マオさん達は、一応門外不出が原則であるたたらの剣術を教えたからには、

これ以上自分達が関わってはいけないという判断で、島に残る事になった。

結果の報告は、私がすることになる。

空がだんだん暗くなるにつれて、島の姿も見えなくなっていく。

消え行く島を眺める丸子君の顔は、以前に比べて大人びているみたいだ。

さっき、久しぶりに会った時は、私の顔をまともに見れずにいた。

心を読むまでもなく、あの夢の事を意識しているのはすぐにわかった。

原因が鬼にある、とわかっても、最後まで納得せず、

鬼神と刺し違えても、なんて意地を張る姿は、以前の通りだったが。

ああ、できることならば、こんな闘いには関わらないでほしい。

あなたには、もっと普通でいてほしい。

子供っぽくって、意地っ張りで、だけど優しい、それだけのあなたでいてほしい。

ああ、だけど… だから、こんな闘いに臨まなければならないのか。

そして、これは、私自身の決着をつける場でもあるのだ。

だから… だから、例え負ける様な事があっても、命に関わることだけは…

文景さんなら、きっと何とかしてくれるはず… だけど…丸子君自身はそれを許さないかも…

思わず、私は、丸子君の手を握ろうと、そっと触れて、すぐに手を引っ込めてしまった。

感触に気付いた丸子君は、ただ、風が吹いたからだろう、と思っただけ。

心を読まなくても、そんなことはわかる。

丸子君が、何か言った気がしたけど、それは気のせいだろう。

だって、こんなに強く風が吹いている。  

 

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