◆ 学校が終わると、私はいても立ってもいられず、帰宅の途に就いた。 家までの道のりを駆け足。見た者の鬼の欲求を刺激してしまうかもしれないが、 そんなことはお構いなしとばかりに、ひたすらに走った。 だが、家に帰ったからと言って安全とは言えない状況だ。 親しい家族に襲われることを考えると身の毛もよだつ。 まだ、見知らぬ人に襲われる方がましかもしれない。 だが、家以外に帰る場所など無い。 …いっそ、マオさんの家に行ってしまおうか…? マオさん達たたらの者なら、鬼神の影響は受けない。あそこにいる人間は丸子君だけ。 丸子君なら… そう思ったら、脚が止まった。 そうなれば、苦しむのは丸子君だ。 ああ… 私はなんて、我儘な女なんだ… 何を恐れる、頂の巫女よ。 こちとら、神様にいい様にされてきた身だ。 今更、鬼の暴徒に何をされようと、失うものなんてあるものか。
聞いているか、鬼神よ。 私は、お前を恐れはしない。 お前が、私に何をしようと、私は屈しない。 私を傷つけられるものなら、やってみろ。 神に愛されるこの私に手をつけるその愚を、 永遠に悔いることになろうと、私が知ったことではない。 鬼神よ、その粗末なナニで、私を支配できると思っているなんて、 情けなさすぎて、笑ってしまうぞ!
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