学校が終わると、私はいても立ってもいられず、帰宅の途に就いた。

家までの道のりを駆け足。見た者の鬼の欲求を刺激してしまうかもしれないが、

そんなことはお構いなしとばかりに、ひたすらに走った。

だが、家に帰ったからと言って安全とは言えない状況だ。

親しい家族に襲われることを考えると身の毛もよだつ。

まだ、見知らぬ人に襲われる方がましかもしれない。

だが、家以外に帰る場所など無い。

…いっそ、マオさんの家に行ってしまおうか…?

マオさん達たたらの者なら、鬼神の影響は受けない。あそこにいる人間は丸子君だけ。

丸子君なら… そう思ったら、脚が止まった。

そうなれば、苦しむのは丸子君だ。

ああ… 私はなんて、我儘な女なんだ…

何を恐れる、頂の巫女よ。

こちとら、神様にいい様にされてきた身だ。

今更、鬼の暴徒に何をされようと、失うものなんてあるものか。

 

聞いているか、鬼神よ。

私は、お前を恐れはしない。

お前が、私に何をしようと、私は屈しない。

私を傷つけられるものなら、やってみろ。

神に愛されるこの私に手をつけるその愚を、

永遠に悔いることになろうと、私が知ったことではない。

鬼神よ、その粗末なナニで、私を支配できると思っているなんて、

情けなさすぎて、笑ってしまうぞ!

 

 

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