その日、前日の混沌とした空とは違い、晴々としていた。

学校につき、昇降口に入ると、東子さんが立っていた。

「あ、東子さん、どうしたの?」

「おい、昨日から、丸子君が帰ってないらしいけど、何か知らないか?」

「え…知らないけど…」

「嘘つけ、お前の思考の痕跡は何も知らない様子じゃ無いぞ」

「…東子さんには嘘はつけないか… だけど、これは、あいつが選んだ道だから。

 どうせ、私じゃ止められないし、あいつの好きな様にやらせるしかないよ」

私が、そう自信を持って言うと、東子さんが、私の目を拭った。

私は、自分で気がつかないうちに涙を流していた。

「女を泣かせるなんてね… まったく馬鹿な奴だよ。だけど、あんな奴に涙を流すお前も馬鹿だよ…

 まったく、文景も馬鹿だし…私も馬鹿だし… やってらんないよ… どうしたもんかね…」

「東子さん…」かける言葉が無い。

「とにかく、行方不明者がうちの学校からは出すぎなんだ。これ以上問題があれば、

 世間にも隠しきれないし、思いもしない混乱だって起きかねない。

 いざとなった時、私達がどうにかしなきゃならない事もある。いいかい、覚悟しときな」

「うん、わかった」

そして、東子さんは、職員室に、私は教室に向かって行った。  

 

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