チャイムが鳴り、東子さんが教室に来て、号令がかかる。

「では、出席をとる。阿合」「はい!」「相川」「はい!」

そして、「丸子… 丸子君は、昨日から、家に帰っていない様で…」

クラス中がざわめく。そりゃそうだ、同じクラスから二人も行方不明者が出たとなっては…

学園全体でも行方不明者が多数出てるのに…

東子さんは、目撃情報の連絡先とか、怪しい人には注意するようにとか、連絡事項を告げて教室を出た。

すると、阿合さんが近づいてきた。

「宮田さん…つらいだろうけど…気を落とさないで…!」

そう言う阿合さんの心の中には恐怖が渦巻いている。

そりゃそうだ、消えているのは私と親しくしていた生徒だ。

それに、私にも原因があると考えているが、それも状況的に無理は無い。

阿合さんが小走りに立ち去り、何気なく後ろを向くと、椀楽君が、恐ろしいものを見る様な目をしている。

心を読むまでもない。彼も中学から同じクラスで、席も近く、

私の周りから人が消えるその様をありありと見ているのだから。

そして、この日を境に、私はクラスから孤立した。

また、小学校時代に戻ってしまった様な感覚だ。

いや、今までが幻想の様なものだったのかもしれない。  

 

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