真名ちゃんと、他の人を繋ぐ、光の鎖。

この鎖がを通じ、真名ちゃんに大量に入り込む、思念の塊が見えた。

恐らくは、弱った真名ちゃんから、力を貪り取ろうとする、この人達の精神。

私は、刀印で、その鎖を断ち切り、素早く真名ちゃんを引き離した。

その瞬間、真名ちゃんのいた空間を、光の鎖がうごめき、やがて、繋がった。

真名ちゃんは、この輪から外れた。だが、その生命力は戻らない。

気付いた真名ちゃんが、薄目を開けて、私の方を見た。

「…あれ、宮田さん…?どうして…」

「助けに来たよ…」

「ありがとう…とっても…恐かったのです…」

「もう、大丈夫だからね…」

「…お母さんに…ごめんねって…」

「大丈夫だよ、許してくれるよ…」

「お父さんにも会いたかったです…」

「きっといつか、会えるよ…!」

「あと、彼氏欲しかったです…」

「そんなの、いくらでも作れるよ…!」

「みんなと…もっと…たの…しく…過ごしたかった…」

真名ちゃんの身体から、力が抜け、重みを増した。

真名ちゃんは、もう、何もしゃべらなかった。

「真名ちゃん…? 真名ちゃん… 真名ちゃん!!」

私の叫び声だけが響く。他には誰も何も語らない。

嗚咽と沈黙と瞑想だけがそこにあった。  

 

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