翌日、教室に入ると、私の前の席が空いているので、真名ちゃんはまだ来ていない事がわかった。

昨日の事もあって、来る時までには心の整理ができているかな、という安心感が少し湧いた。

だが、ホームルームが始まろうとしても、まだ真名ちゃんが来る様子が無い。

能岡さんが、「今日は休みなのかな? 昨日は元気そうだったけど…」と言う。

お休みなら、後でお見舞いにでも行こうかなと思っていたら、先生が来た。

「では、出席を取ります。 阿合」「はい!」「井上」「はい」

そして、

「御波 … 御波さんは来ていませんか? 遅刻かなあ?」

先生に連絡がきていない、ということは、寝坊でもしたのだろうか?

それなら、笑って迎えてあげる事ができるけど…

だが、その後も真名ちゃんが来る様子は無い。

昼休みに、私と能岡さんが先生に呼ばれた。

「あなた達は、御波さんと親しいけど、何か変わった様子無かった?」

「昨日、一緒に勉強会やったんですけど…特に変わった様子は…」

「真名ちゃんの家に連絡はしたんですか?」

「…したんだけど…お母様が言うには、今朝いつもどおりに出て行ったと…」

先生の心を読むが、嘘は言っていない。

「まさか…事故か何か…」能岡さんが上ずった声で言う。

「落ち着いて。友達の身に何かあったとして、その時あなた達がしっかりしていなくてどうするの?」

先生の言葉に、思わず背筋が伸びた。

わずかでも、このまま顔を合わせなければ気楽かな、なんて思った自分を恥じた。

「とにかく、今は冷静になって。もし、何事も無ければそれでいいんだから」

私達は、声無く頷いた。  

 

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