◆ 一学期も半ば、中学生活にも慣れてきたとはいえ、まだ、皆ぎこちない顔 そんな折のことである その日、先生の隣にいるのは、小柄で、色白な、というか、体全体の色素が薄そうな女の子だ。 まさか、この時期に転校生なのだろうか? 「皆さんに、紹介が遅れましたが、この子は、今日からこの学校に通うことになった、御波真名さんです」 「御波ですよろしく…」 おどおどした声は、一時的な緊張でなく、この子自身の性格も物語っていた。 「御波さんは、お父様の仕事の関係で世界各地を回っていて、学校も各地で通ってはいましたが、 通えない時期もあったりして、専属の家庭教師の方に勉強を教えてもらったりしていました。 ですが、中学校レベルの勉強になると、色んな学校に移ったり、家庭教師に教えてもらったりでは 大変だろうということで、彼女とお母様だけ、日本に残って、三年間同じ中学に通うことになり、 この学校に来る事になったのですが、手続きなどで少々ごたごたして、今日から通う事になりました」 「日本は初めてですが、家族の間では日本語で話していたので、日本語は使えます… その代わり、一つの国にいた期間が少ないので、外国語は実はあまり得意ではありません… 英語も…期待しないでください… あと、こんな髪の毛ですが、一応両親ともれっきとした日本人で、生まれつき色素が薄いだけですので、 そこんところも、勘違いしないでもらえると嬉しいです… それで、日本に来て思ったんですけど、日本車がたくさんあるなあって… …あ、ここ、笑う所なんだけどな… あ、それと、日本のアニメ好きですよ、いろんな国で放送されてて…」 おどおどした声でよく話す子だ…気弱なのか何なのか正直よくわからない… だけど、この子も、小学校へはあんまり行ってなかったのか… 特殊能力うんぬんを抜きにしても、この学校にはそういう子が多いのだろうか?
■_____2 |
|
ブラウザを閉じてください |